いつも流れる夕方の音楽。
私は、この音楽が大嫌いです。
夕焼けが大嫌いです。
それは、家に帰らないといけないことを意味していたから。
みんなが楽しそうに帰る姿が、不思議でしかたありませんでした。
家へ帰るカウントダウン
私は、午後になると落ち着かなくなります。
お昼ご飯を食べると、もう学校にいる時間はあと少し。
できるだけ家に遅く帰りたい。
そんな気持ちでした。
チャイムが鳴る。
また、1時間が終わってしまった。
私には、家へ帰るカウントダウンのように聞こえました。
まだ帰りたくない。
この安全な場所に、できるだけ長くいたい。
それでも、またチャイムは鳴ります。
そして、少しずつ空の色も変わり始める。
その時間が近づくたびに、私は絶望的な気持ちになりました。
逃げられない
さすがに、もう帰らないと。
それこそ、帰りが遅いと怒られる。
早く帰らなきゃいけない。
でも、帰りたくない。
体に力が入り、呼吸が苦しくなる。
もう倒れるんじゃないか。
そう思うくらい、心臓が速く動きます。
もう限界です。
もう帰らないと。
帰りが遅くて怒られるのか。
帰ってから、いつも通り怒られるのか。
もう、どっちがいいのかわかりませんでした。
帰りの足取り
鉛のように重い体を引きずるように、学校を出ます。
夕方の音楽が鳴り、空は夕焼けに染まっています。
もう間に合わない。
早く帰らないと。
それでも、足が速く動きません。
家へ近づくにつれて、私は何も感じなくなっていきます。
あれほど帰りたくないと思っていたのに。
あれほど怖かったはずなのに。
何も感じません。
そして、家の玄関の前。
もう逃げられない。
あの地獄のような時間がやってくる。
今の私は
あの家を出てから、もう21年ほどたちます。
でも、今でも夕方のチャイムが聞こえ、夕焼けに染まる空を見ると、絶望的な気持ちになります。
心拍数が上がり、ときには動けなくなります。
精神的に不安定になっているときには、一気にあの家の前に立っているような感覚になります。
もう21年もたつのに。
それでも、この感覚はなくなりません。
だから私は、あまり夕焼けを見ないように。
チャイムを聞かないように。
目を閉じ、耳をふさぎます。
今も、おそらく私と同じように感じている子どもがいると思います。
その子に言いたい。
もう帰らなくていいよ。
逃げていいよ。
それでも、あなたは生きていけるから。
※コメントは無理に書かなくて大丈夫です。
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できるだけ多くの人に、現実を伝え、今苦しんでいる子供を一人でもなくしたいというのが、私の願いです。
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